なぜこんなに?カメムシ大量発生の原因と対処法を紹介!

春から秋にかけて姿をよく見かけるカメムシですが、「今までいなかったのに急にどうして?」と対処法に困ることがあるかと思います。皆様の悩みを解決すべく、カメムシが多くなった原因から対処法までをまとめました。
前提としてですが、カメムシの大量発生の原因は、地域や年、カメムシの種類によっても生態や被害状況が異なります。
カメムシが大量発生、なぜこんなに?原因を探る
カメムシを1匹だけでなく群れて集まっている姿を目にしたことはありませんか?なぜ増えたのか、カメムシが好んで潜む場所はどこなのかをまとめました。

地球温暖化が招くカメムシの増加
カメムシが増加する原因のひとつとして、地球温暖化が関わっているのではないかと研究されています。参考元:農研機構東北農業研究センター
カメムシは変温動物なので、体温を一定に保つために暖かい場所を求めて活動します。温暖化による冬の気温上昇が、カメムシの越冬率を大幅に高めています。従来は寒さで死んでしまう個体が多かったのですが、平年よりも高い気温が続くことで越冬しているのです。
春夏の期間が長く、気温が下がり始める秋が遅くなることで、活動できる期間が延びます。その分だけ繁殖の機会が何度もあるため、数がどんどん増えてしまっています。
エサとなる植物の豊作が影響?
カメムシは、植物(農作物)の汁を吸って成長する昆虫です。特に、果樹や野菜、穀物などの汁を好んで吸う種類が多く、農作物に大きな被害を与えることがあります。
好物の植物が豊作であるほど、エサが食べられる場所と判断し、カメムシが集まりやすい傾向にあります。
カメムシが好む農作物 ※カメムシの種類によって、好む植物は異なります
- 果樹:モモ、ナシ、ブドウなど
- 野菜:大豆、ナス、トマトなど
- 穀物:イネ、コムギなど
- 木々:スギ、ヒノキなど
ただし、必ずしも好む植物が豊作だからカメムシが多いというわけではありません。雨や晴れの日も多かった、暖かい日が多かったなどの気候的要因も増える条件になります。
地球温暖化による秋から冬の気温上昇などの成長環境の好条件が揃った場合に大量発生が起こると考えられます。
カメムシの好む場所はどこ?
ニュースで取り上げられることでカメムシの存在は広く知られるようになりましたが、カメムシが好んで生息・滞在する場所はどこなのかをまとめました。
カメムシが好む環境 | 具体例 |
暖かい場所 | 日当たりの良い窓際・網戸・壁干している布団など気温が高いところ |
隠れやすい場所 | 壁の隙間、家具の裏、家電製品の裏など、狭い隙間や暗い場所 |
エサとなる植物の周辺 | 庭木、畑、果樹などのエサとなる植植物の周辺 |
白色のもの | 白い壁や白色の洗濯物など |
光 | 電灯や電子看板などの明るい光を放つもの |
家の中 | 窓際、カーテンの裏、ベッドの下、 クローゼットの中など少し薄暗く、雨水がかからない場所 |
側道や庭・菜園など | 植木、花壇、果樹、野菜など |
ベランダ | 洗濯物、プランターなど |
草木の多い場所 | 公園、 木、草むら、落ち葉の溜まっている場所など |
カメムシ大量発生による影響
カメムシが放つ悪臭やカメムシ自体の存在に悩まされるのは、生産者だけではありません。一般的な家庭への影響や被害、対処の方法などについてまとめました。
カメムシによる影響
農作物への被害
カメムシが好む農作物で紹介した農作物の果実部分を好んで吸い、若い果実を吸汁されると変形したり落下したりします。また、作物によっては実の入りが悪くなります。カメムシが放つ悪臭がする汁が付いたことで、農作物に臭いが付いてしまい簡単には取れません。
カメムシの被害を受けた農作物は生育不良となり、商品価値が落ち、出荷自体ができなくなる場合もあります。見た目だけでなく、味も悪くなってしまうので、カメムシが少しでも見つかった場合は、早めの対処が必要です。

農薬をたくさん使用すれば良いと思われますが、収穫間近での農薬散布は制限されています。そのため、農作物生産者は農薬を撒くタイミングにも悩まされます。
ただし、この世に存在するすべてのカメムシが農作物にとって悪影響を与えるわけではありません。
しかし、カメムシの中には益虫として扱われるものもあります。「ヒメハナカメムシ」「タバコカスミカメ」が代表的な種類です。害虫駆除のために存在する種類もありますので、殺虫よりも近づけさせない方法を取る場合があります。
また、カメムシは1,000種以上存在しますが、実際に農作物へ被害をもたらす種類は100種以上とされています。あるカメムシには効いた方法が、他のカメムシには効果がない場合もあります。
種類によって殺虫剤・忌避剤の種類、散布時期、散布回数などが異なるので、各自治体の情報や指導を参考にしてください。農林水産省の公式HPに「カメムシ注意報」「カメムシ警報」などの病害虫発生予察情報が掲載されていますので、こちらも併せて確認してください。
住居への侵入と不快感
洗濯物にくっついて住居内に入り込んできたり、買い物袋に付いたまま連れて帰ってしまったりと、気づかない内に自分たちの住まいの中に入って来てしまうことがあります。
また、空気の入れ替えのために開けた窓から侵入することもあります。
入って来てしまったカメムシを対処しようと叩き潰してしまうと、とてもクサい臭いを放ちます。
この悪臭はなかなか落ちませんので、潰すよりも素手ではなく半分に切ったペットボトルで救ったり、粘着テープなどの道具を使って駆除したりすることをオススメします。
殺虫剤・忌避剤などの薬を使って対処する際も、素手でカメムシに触れずに駆除しましょう。

洗濯物にカメムシの卵が付着していた場合の対策は、以下の記事で詳しく解説しています。↓
カメムシは明るい光や白いものに寄ってくる習性があるため、夜に窓を開ける、ベランダに出るなどの場合は、できるだけ明るい蛍光灯の電気を点けないようにしましょう。
また、夜になると色によってはカメムシ自体を見つけるのも難しく、気づいたら家の中に入っているなど思いもよらない出会いになる可能性も多くなります。
マンションであっても油断はできません。カメムシは飛行能力も長け、移動距離は約5キロ程、高さは数十メートルほど飛べます。7階以上であれば、飛んでくること自体は稀です。しかし、高層階であっても予防をしておく方が良いです。
窓(網戸)・玄関・ベランダ・壁・ドレンホース(エアコンの室内機についているホース)など、入ってくる可能性がある場所は多くあります。スプレータイプの忌避剤も販売されていますので、カメムシを寄せつけないようにする対策が必要です。
アレルギー症状の悪化

カメムシによるアレルギーの症状には、鼻炎や結膜炎、皮膚炎などがあります。
カメムシは外敵から身を守るために、攻撃を受けると「アルデヒド」と呼ばれる成分を含む臭いを放ちます。
この臭いに敏感な人は、アレルギーを発症する可能性があります。特にゴキブリやテントウムシなど、ムシの臭いに対するアレルギーをもつ方は注意が必要です。
また、カメムシの分泌液に触れたり、その手で目をこすったりすると、皮膚炎や眼炎を引き起こす危険性もあります。これが「カメムシを手で触れて、潰してはいけない」の理由です。
もし、手についてしまった場合は、すぐに石鹸で手を洗ってください。また、目や傷口に入ってしまった場合は、水で良く洗い流し、眼科や皮膚科の受診を検討してください。
置物や家具などの洗えないものに臭いが付いた場合は、1週間程度で臭いは消えますが、洗剤(できれば柑橘系)で拭き取りをしましょう。
カメムシ大量発生を防ぐ対策
カメムシ自体を寄せ付けない方法をご紹介します。戸建て・マンション・ビルなど、異なる環境でも個人的に可能な方法は限られています。できる範囲で予防することで、カメムシとできるだけ出会わない、常駐させないことを目指しましょう。
住まい環境での対策

マンションやアパートなどの集合住宅では他者との共有部分が多く、個人的な範囲での防虫が限られてしまいますが、できる範囲で寄せ付けない方法を実行してみてください。
まずは玄関周りとベランダ、常時点灯しているライトの近く等に防虫スプレー(忌避剤・スプレー)を吹き付けましょう。玄関や扉付近に使用しているライトをLEDに変えることも効果的です。
窓やドアにすき間がある場合は、すき間テープなどですき間を作らないようにしましょう。
できるだけ入ってこれない環境を作ることで、過ごしやすい環境になります。
庭やベランダの対策

落ち葉や雑草などの草木が多くある場所は、カメムシにとって絶好の隠れ場所になります。庭に草木を植えている場合は、適時剪定処理をして、隠れ場所を作らないことが大切です。
衣類や布団を干す場合は、室内干しやランドリーを使うなど、外に出さないのも手です。ベランダは暖かい日が当たる場所が多く、日当たりがいいからこそカメムシも集まってきます。
外に干す場合は、取り込み前にカメムシが付いていないか確認しつつ、取り込みをしましょう。
庭やベランダに溜まった落ち葉や干した衣類・布団に卵を産みつけることもありますので、見つけたときは素手では触らず、ガムテープで取るようにしましょう。基本的に卵もカメムシ自体も直接触らないように気をつけてください。
まとめ:カメムシと共存するために
カメムシが大量発生する原因から駆除・防虫対策までをご紹介しました。
地球温暖化による暖冬傾向や好む作物の豊作など、身近に原因があることがわかりました。
被害は農家だけでなく、一般的な家庭にも出ています。今では日本全国に現れるようになったので、普段からカメムシへの対策が必要です。
また、カメムシの種類によっては一般的な殺虫剤の効果が薄いケースもあるため、殺虫剤を使用する際はカメムシを対象とした専用の製品を使用するのがおすすめです。
さらに、カメムシ自体が来ないようにする忌避剤も販売されているので、カメムシの予防に使ってみてはいかがでしょうか。

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